『質量のない雲、彫刻と生命の間』。巨大な塊が、質量の概念を超越したかのように、地面に沈む事も天井まで上がりきる事もなく、空間の中に留まり浮遊している。人々が、身体ごと没入できるその塊は、作品と身体との境界が曖昧で、人々がかき分ける事によって、少し壊れても、生命の様に自ら修復する。しかし、生命がそうであるように、塊は自ら修復できる範囲を超えて破壊された時、修復が追いつかず崩れていく。「自分が出会いたい人に自分を見つけてもらう行為」という営み。「自分と近い価値観を持っているけど、自分とは全く違う体験をしていて、多くの気づきを与えてくれる様な存在」そんな人達と出会える機会の模索が、痕跡となっていく様に。
ピアノ曲「風紋~3つの軌跡~」
投稿日:2020年7月5日 更新日:
執筆者:見立 敦