朝と夜の練習を終え、合間に支部へ寄ったらまたマチ子さんがいらっしゃった。「夢を叶える像」を読み進めた後ふと、朝日新聞を手に取り、2つの記事に目が止まった。
①大阪教育大附属池田小学校が試みた取り組み「命の教育」。
包丁を持った男が校舎に侵入し児童8人の命を奪った事件から20年とあった。ある遺族は事件後、娘が図書館から借りたままの児童書を3冊見つけ、直接手を触れたと思うと手放せない。返却した日は涙が止まらなかったと手記に綴る。
「最後だと分かっていたなら」という、喪失感の深さに胸がつまる。
②陸上100メートルで9秒95の日本新記録を出した山県選手。
「盛り上げますねぇ」とLINEを送った桐生選手。山県選手は「桐生が決勝を棄権したから、代わりに盛り上げといた」と返信。3歳年下の桐生選手が2017年に日本人初の100メートル9秒台を記録した時、祝福のメッセージを送った仲で、感慨深いと話す。
涙が止まらない感情の深さと、華やかな成果の裏にある努力の賜物。しかし何故か、歓声のまばらさが閉塞感を掻き立てる。
感情を動かすメラビアンの法則(言語7%、聴覚38%、視覚55%)について、例えば美味しいカレーを作るのに福神漬けから極めようとする残念さが痺れた、正に鋭過ぎる正論の刃。
そして夜散歩中に流してた音声「開始10秒と初動による、慣性の法則」。これまた無力を何倍にも後押しする習慣。
2021.6.8 朝日新聞(命の教育と、陸上100メートル新記録)
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執筆者:見立 敦